訪問介護の仕事には、食事づくりを行う生活支援もあり、その中でヘルパーと利用者が一緒に調理を行うケースがあります。
ほとんどの場合はヘルパーが作っていますが、味付けだけは自分好みにしたいと利用者が指示する場合は珍しくありません。
しかし、ここでよく起こる問題が、濃い味を求められたりと、健康上明らかに良くない方向に進むパターンです。介護職の役割は、ただお世話をするだけではありません。健康的な暮らしをサポートするという側面もあります。
そのため、調理であれば、利用者が持っている病気や療養上の留意点を理解した上で、健康を維持、改善できるよう栄養面を考えて調理することが求められています。そのため、本人の意志や好みが健康維持とは異なる場合には、それを尊重するのではなく、まずはどうして駄目なのか本人が納得できるように説明して調理することが大切です。
その場合、ヘルパーからだけでなく、医師や管理栄養士などの多職種からもしっかり説明してもらうことが重要です。
医師から高血圧が悪化して危険だと伝えてもらい、管理栄養士からは1日の塩分と当分量が基準値を超えて倍以上になっているなどと説明してもらえば、より信憑性が高まり、きちんと聞いてもらえる場合が多いです。
その時、注意したいのが、決してヘルパーが利用者の敵にならないことです。何があっても利用者の立場になって考えて、きちんと理解してもらえるように根気よく説明を続けていくことが大切です。